10/29 木質バイオマス施設見学会報告

 10月29日、自然エネルギー実践講座2014の第1回「木質バイオマス施設見学会」がNEPA主催、北海道木質ペレット推進協議会共催で開かれ、美唄市の個人住宅用ペレットボイラー、占冠村の温浴施設薪ボイラー施設等を見学しました。

   32名の参加者は8時半に札幌駅を出発しました。最初の見学先である美唄市の個人住宅は2013年に新築されたもので、暖房設備としてペレットボイラーを採用しています。住宅の接して作られた燃料サイロ小屋内に1t以上のペレットを貯蔵し、室内のペレットボイラー内タンクに燃料ペレットが風送されます。室内では冬場は輻射型ストーブとしても活躍するオーストリア製のボイラーが壁際に設置されており、そこで作られた温水が300L(0.3m3)のタンクを経由して床暖房や給湯に使用されます。今後このような施設が増えることで、配送システムやペレット製造の発展を促すことになることでしょう。

 一行は占冠の薪ボイラー設置場所である湯の沢温泉「森の四季」に向かいました。到着後、特別準備された鹿カレーをいただき、温泉裏手に建設された薪ボイラー建屋で、ドイツ製の薪ボイラーを見学しました。道内で始めて温泉に導入された薪ボイラーに、一日数回従業員が薪を一度に20本程度投入します。お湯は建屋内に設置された15 m3の貯湯槽にためられ、ここから温泉施設に送られ、浴槽水の加温、洗い湯、施設内の暖房に使用されます。薪の投入が不足し貯湯槽の温度が62℃以下になると、従来から使用していた重油ボイラーが自動点火するとのことでした。実際に薪を投入する苦労を直接聞くことができました。

 その後、バスで薪原料を伐採した村有林に向かいました。前日に降った雪で足場が悪かったため、伐採現場までは行けませんでしたが、森林内を歩き間伐や枝払いがどのように行なわれるのかを占冠村役場・林業振興室の職員から聞き体感ました。続いて伐採された木から薪を製造する施設に移動し、油圧式薪割り機の実演も見ながら薪が作られ乾燥する様子を見学しました。村有林から搬出された木は全てこの施設に運ばれ、ここで市場に出す木、薪にする木などに仕分けられるとのことでした。

 再び温泉に戻り、大半の人は薪で温めたお湯の感触を肌で感じるために実際温泉につかり、屋外見学で冷えた体とともに心を温めました。予定を少し早め16時40分に温泉を出発しほぼ2時間で無事札幌駅に到着し、解散となりました。